2013年12月20日
モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】

先月末、飛騨の地酒が体感できるモニターツアー
「五感で地酒を楽しむ晩秋の飛騨路」(主催・近畿日本ツーリスト)に参加したので、そのレポートを綴っておきたいと思う。http://tabihatsu.jp/program/86789.html

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
名古屋駅の広場に朝8時集合。東京から参加したので、朝がかなり早かったけれども、うまい地酒のためなら、早起きだって何のその。時間ギリギリになってしまったが、なんとか集合場所に到着した。

さっそくバスに乗って出発。車内でまず配られたのが「飛騨御酒飲券」(ごしゅいんけん)と「御酒印帳」(ごしゅいんちょう)。漢字で書くと難しそうだけど、「御酒飲券」とは、要は飛騨にある12の酒蔵で試飲が楽しめるチケット(10枚つづり)のこと。基本的に1枚で1杯、試飲ができる。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
そして「御酒印帳」は、酒蔵でもらえるスタンプを集めるための手帳だ。神社めぐりなどで使う朱印帳にちなんだネーミングというわけ。今回の旅では、これをコンプリートしてみます!(くわしくはこちら
それでは、いよいよツアーへ出発。名古屋を出て途中のサービスエリアで休憩を挟み、およそ3時間。合掌造りの集落で有名な白川郷に到着した。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
晩秋から真冬へと向かう白川郷。この時期独特の澄みきった空気が頬を撫でる。とても寒いが、いい心地だ。さっそく白川八幡神社へと向かい、参拝を済ませたあと、境内にある「どぶろく祭の館」に入った。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
そこで「どぶろく」の歴史や「どぶろく祭」の資料を見学したら、いよいよお待ちかね、どぶろくの試飲だ。本来はお祭りの時期にしか飲むことができない「どぶろく」だが、見学者には通年、こうしてふるまってくれる。見た目は甘酒のようだが、日本酒なので甘くはなく、まろやかで奥深い酸味が特徴の酒。まさに日本酒の原点ともいえる味だ。ここを訪れるのは3回目だが、今回もやっぱり「おかわり」してしまった(笑)。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
その後、1時間ほど自由行動になったので白川郷を散策。名物の「飛騨牛コロッケ」などを軽くつまんでいたら、合掌造りの家の一軒が、ちょうど屋根を葺き替えしているところだった。これはラッキー。とても貴重な場面を見ることができた。
名残惜しくもバスは白川郷を離れ、高山市街へと向かう。その前に、途中にある「老田酒造店」に立ち寄って、工場を見学。ここが今回のツアーで「どぶろく」を除く、飛騨の12酒蔵で一番最初に訪れた蔵元さんだ。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
老田酒造店といえば「鬼ころし」で有名。「鬼のように頑丈な男でも酔い潰れてしまう」というほど、混ぜ物のない純粋な酒、というのがその由来だそう。ただ、「鬼ころし」というとコンビニなどに売ってるような紙パックの、混ぜ物が含まれた安価な日本酒を連想する人も多いかもしれない。
残念なことに、「鬼ころし」という名称は老田酒造店だけのものではなく、全国にその名前が広まりすぎて、他でも使われるようになってしまった。そのために複数のいろいろな「鬼ころし」が存在するようになったんだそう。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
この、荷車を押す鬼が描かれたラベルが貼ってある、老田酒造店の「鬼ころし」こそが正真正銘といってよい。時間の関係で、工場は稼動していなかったが、「鬼ころし」の原酒・純米大吟醸を試飲させてもらった。とても真っ正直な、すっきりとした味わい。「これが鬼ころしなんだ!」と納得の風味だった。いやぁ、それにしても昼下がりから呑む酒の味はなんとも格別、格別。

午後1時半、高山に到着。ここで3時間フリータイムとなったので、まずは昼食を済ませようと、ぶらぶら歩きながらお店を物色。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
やっぱり、とても寒いので何かあったかいものが食べたくなってラーメン屋へ。高山ラーメンは、魚介系の醤油ベースのスープと、ほっそりした縮れ面が特徴。これ、夜にしこたま呑んだ後に絶対食べたくなるような、いい意味で淡白な味わい。夕食までそんなに時間がないため、手軽に済ませる意味でもラーメンは丁度いい。
おなかが膨れたところで、いざ高山の酒蔵めぐりへ。高山市街には6軒の酒蔵があるほか、先ほど寄った老田酒造店のショップもある。さて、最初はどこへ行こうか。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
うろうろしていたら、「平田酒造場」の前にたどり着いた。これはもう入るしかないでしょう。だんだん、静かに舞っていた粉雪が吹雪いてきて、かなりの寒さに。中に入ると、蔵元の方が温かく迎えてくれた。ここでは長期熟成古酒、「飛騨の華 酔翁(すいおう)」をいただく。純米酒を10年寝かせ、熟成させたものらしく、黄金色の液体は見るからにうまそう。口にしてみると、非常にふくよかで呑みやすく、さすがは古酒といった感じ。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
次に訪ねたのが、「氷室」や「玉の井」で知られる「二木酒造」。試飲用おちょこが値段によって3色に分けられていて、とてもお洒落だ。季節限定の大吟醸ひやおろし「秋麗の炎」をいただいた。実にさっぱりとして口当たりがよく、後味に清涼感がある。ネーミングもラベルも気に入った。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
雪が激しさを増すなか、めげずに歩いて3軒目は「平瀬酒造店」。ここは創業1623年(元和9年)という、飛騨ではもっとも歴史ある蔵元だ。元和9年といえば、徳川家光が3代将軍に就任した年、考えるだけで「すごい」と思う。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
ちょうど、平瀬克祐社長が団体さんに解説を行なっているところだったので、「久寿玉」(くすだま)の手作り純米をいただきながら拝聴する。熱心な語りと真摯な酒造りへの思いに感心した。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
地元でも根強いファンを持つ酒という久寿玉、それだけに「手作り」という言葉がぴったり当てはまる、杜氏さんの魂が伝わってくるような、優しげで奥ゆかしい風味がした。ちなみに、私が呑んだのは各酒蔵とも基本的には1杯ずつ。多くても2杯にした。それぐらいにしないと、酔いがまわって舌が麻痺して美味しく呑めなくなるからだ。

その後は、前回までのブログでもご紹介した「川尻酒造場」「原田酒造場」「舩坂酒造店」でも一杯ずつ試飲を楽しみ、高山の酒蔵をコンプリート。時間いっぱいまで高山散策を満喫した。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
時刻は4時半、バスへ戻るころには日も傾きかけていて「冬」を実感する。バスに揺られて向かった先は、飛騨市の神岡町にある大坪酒造店。こういう場所には車でしか行けないため、バスで回れるのはありがたい。

モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】モニターツアーで飛騨の地酒を呑みまくる! 【前編】
夜にもかかわらず、社長さんが蔵の中をじっくり案内してくれた。明治の頃から変わっていないという造りの酒蔵の中は、惚れ惚れするような重厚感がある。ひと目でいい酒を造っていることが分かる。ここでは「飛騨娘」の原酒をいただいた。ネーミングの通りふくよかで甘みがあるが、原酒の荒削りな呑み応えを保った、素晴らしい味わい。しめくくりに最高の一杯だった。

大坪酒造の後、今夜の宿泊先である、古川の「飛騨ともえホテル」へ。すでに真っ暗。古川の町散策は翌朝の楽しみにとっておこう。飛騨の郷土料理に舌鼓を打ち、熱い風呂で冷えた身体をいたわり、今日一日の疲れと摂取したアルコールを汗で昇華させてから眠りについた。

これにて【前編】終わり。【後編】へと続きます。

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